【遊戯王ルール解説】スタンバイフェイズ、エンドフェイズの処理について
こんにちは。
最近よくこのカードを目にします。
自分・相手のスタンバイフェイズにクシャトリラモンスターをデッキから特殊召喚する効果を持ちます。
で、このカードの効果に関して、ルールを誤って覚えている方、使ってしまっている方が散見されるようなので、例を交えながら解説しようと思います。
- はじめに 自己紹介
- 例① スタンバイフェイズの出来事から
- 例② スタンバイフェイズの任意効果と強制効果について
- 例③ エンドフェイズの処理から 優先権について考える
- 例④ エンドフェイズ 任意の誘発効果のみの場合の優先権
- まとめ
- 最後に
はじめに 自己紹介
私kintaは普段youtubeで遊戯王の対戦動画を投稿したり、福岡でkinta CSという非公認大会を開いたりしています。
チャンネル登録してくださると幸いです。
kinta CSは毎月1~2回開催しています。
既に開催が決まっている大会のページは最後の方に載せておきます。
このブログもたまに書いてます。
よければ他の記事も読んでくだされば嬉しいです。
例① スタンバイフェイズの出来事から
現在上のプレイヤー側(プレイヤーAと呼ぶ)のターンに入り、スタンバイフェイズに入ろうとしています。
前のターン、相手の盤面をラヴァゴーレムを投げて処理をした下のプレイヤー(プレイヤーBと呼ぶ)は、スタンバイフェイズに相手の場にいるラヴァゴーレムの効果にチェーンして、クシャトリラ・シャングリラの効果でクシャトリラ・ユニコーンを出し、相手のエクストラを破壊しようと考えていました。
しかし、それは出来ませんでした。
何故か。
出来ない理由がわからない方はこの記事を読んでみてください。
出来ないだろうな~と思うけど正直理由はよくわからん、という方もこの記事を読んでみてください。
出来ないし理由もわかる、という方は読んでみて答え合わせをしてみてください。
結論から スタンバイフェイズやエンドフェイズの処理 基本編
結論から申し上げますと、スタンバイフェイズに発動する効果や効果処理は
「それぞれチェーン1で発動し、ターンプレイヤーから処理を始める」のが基本になります。
ですので、上記の例①でいえば、基本的には以下のような処理をおこなっていくことになります。
①プレイヤーAのラヴァゴーレムの効果
②プレイヤーAのラヴァゴーレムの効果
③プレイヤーBのクシャトリラ・シャングリラの効果
ターンプレイヤーの処理を全て終えた後、非ターンプレイヤーの効果処理に移行します。
この記事を読んでくださった多くのプレイヤーの方は、おそらくここで疑問が解決すると思うんですが、
もしかすると、中にはこの処理に疑問を持ったり、ケースによって変わるのでは?みたいな考えを持つ方がいらっしゃるかもしれません。
おそらくそういった方はむしろルールについて詳しい方なんじゃないかなと思います。
ですので、スタンバイフェイズの処理については別の例も用いて、さらに詳しく解説していきます。
前提知識 誘発効果について
誘発効果/Trigger Effect …
「スタンバイフェイズ時」や「モンスターが破壊された時」など、そのモンスターカードが定めたタイミングで発動する効果です。
相手に事前に察知されやすく対策されてしまいやすい効果ですが、他のカードの効果や自分のプレイング次第でその発動条件を引き出し、狙ったタイミングに発動させることも可能です。
例…このカードが召喚に成功した時に発動できる。~する。
このカードがリバースした場合、~する。
誘発効果とは、特定のタイミングで発動する効果です。
誘発効果とそのタイミングについては以前の記事で解説していますので、そちらも是非。
kintaygochannel.hatenablog.com
で、今回の本題である、スタンバイフェイズ時の効果などはこの誘発効果にあたります。
誘発効果というのはスペルスピード1のため、通常はカードの効果にチェーンして発動することは出来ませんが、同じタイミングで複数の誘発効果が生じた場合にのみ、チェーンブロックを組むことになります。
普通に遊戯王を誘発効果を複数チェーンを組んで発動というのは当たり前に起こる事象ですし、自由にチェーンを組める誘発即時効果とも混同してしまいがちなので、初めの例のような勘違いが生まれてしまうんじゃないかなと…。
ちなみに、誘発効果には任意効果と強制効果の2種類が存在します。
任意効果はいくらでもありますが、強制効果なら、最近はクシャトリラ・アライズハートの効果などでしょうね。
誘発効果が複数重なった場合、以下の順番でチェーンを組みます。
①ターンプレイヤーの強制効果
②非ターンプレイヤーの強制効果
③ターンプレイヤーの任意効果
④非ターンプレイヤーの任意効果
では、ここまでを前提知識として、次の例に進みましょう。
例② スタンバイフェイズの任意効果と強制効果について
では、今回この例②から問題を考えてみます。
問題
現在、上のプレイヤー(プレイヤーA)のターンで、これからスタンバイフェイズに入ります。
この時、プレイヤーA、Bともに盤面に見えているモンスターの効果をそれぞれ全て発動するとしたら、基本的にはどのような順番で処理されるでしょうか。考えてみてください。
※今回はシャングリラから出てくるモンスターについては考えません!
…
では、解答です。
①プレイヤーAのラヴァゴーレムorクシャトリラ・シャングリラ
②プレイヤーAのラヴァゴーレムorクシャトリラ・シャングリラ(①で使用していない方)
③プレイヤーBのラヴァゴーレムorクシャトリラ・シャングリラ
④プレイヤーBのラヴァゴーレムorクシャトリラ・シャングリラ(①で使用していない方)
※すべてチェーン1で解決する
答えを見ても驚きの解答があるわけではなく、一見クイズにするほどのことか?と感じてしまうかもしれませんが、結構重要なことが書いてあります。
ポイント1
スタンバイフェイズは強制効果・任意効果関わらずターンプレイヤーから任意に順番を選択して発動できる
「ラヴァゴーレムは強制効果だから、必ずラヴァゴーレムが①、クシャトリラ・シャングリラが②」と考えた方もいるのではないかと思うんですが実はそんなことはないです。
こういった特定のフェイズの強制効果というのは、あくまでそのフェイズ中に必ず発動しなければならないというだけで、順番自体は自由に選べます。
ポイント2
強制効果・任意効果問わず、ターンプレイヤーから処理を行う
この問題を見た人の中には、
①プレイヤーAのラヴァゴーレム
②プレイヤーBのラヴァゴーレム
③プレイヤーAのクシャトリラ・シャングリラ
④プレイヤーBのクシャトリラ・シャングリラ
という解答をした人がいらっしゃるかもしれません。
強制効果・任意効果問わずあくまでターンプレイヤーから処理をします。
誘発効果を同時のタイミングでチェーンを組む場合には、強制・任意効果やターンプレイヤー等の情報が絡んできますが、
一つずつ順番に処理をしていく場合、つまり全てチェーン1で解決する場合はこの情報は関係ないということですね。
※追記
ラヴァゴーレムの効果は「自分スタンバイフェイズ」に発動する効果なので、例としては良くなかったですね…すみません…
例③ エンドフェイズの処理から 優先権について考える
上のプレイヤー(プレイヤーA)のターンです。
メインフェイズ2を終了し、これからエンドフェイズに移行します。
エンドフェイズに発動する効果および適用する効果(既に発動済みの効果)は以下の通りです。
・プレイヤーAのミラジェイドのサンボル効果(発動済み、エンドフェイズ適用)
・プレイヤーAのマグナムートのサーチ効果(発動済み、エンドフェイズ適用)
・プレイヤーAのアルビオンの墓地効果
・プレイヤーBのクロノダイバー・リダンの帰還効果(発動済み、エンドフェイズ適用)
では、この例を用いて問を出してみたいと思います。
問題
プレイヤーAはリダンの帰還の後にミラジェイドの効果処理をすることで、相手のリダンも破壊したいと考え、エンドフェイズに何もせず優先権を相手に渡しました。
この後の説明として正しい選択肢を選んでください。
①プレイヤーBは優先権が渡ったため処理をしなければならず、リダンの効果処理を行いリダンを除外から帰還した。その後プレイヤーAに再度優先権が渡ったため、ミラジェイド、マグナムート、アルビオンの効果発動と処理をそれぞれおこなった。
②プレイヤーBは優先権をもらったが、効果処理をせず放棄した。そのためエンドフェイズは終了し、全ての効果処理が行われることなくプレイヤーBのターンに移行した。
③プレイヤーBは優先権をもらったが、効果処理をせず放棄した。そのため再度プレイヤーAに優先権が渡ったため、仕方なくアルビオン、マグナムート、ミラジェイドの効果処理をし、最後にプレイヤーBがリダンを帰還させた。
④そもそもプレイヤーAから効果処理をしなければならないため、プレイヤーAは効果処理をなにもせずに優先権を放棄することは出来ない。
それでは、解答です。
正解は③です。
③プレイヤーBは優先権をもらったが、効果処理をせず放棄した。そのため再度プレイヤーAに優先権が渡ったため、仕方なくアルビオン、マグナムート、ミラジェイドの効果処理をし、最後にプレイヤーBがリダンを帰還させた。
それでは、この問いについて細かく解説します。
スタンバイフェイズと同様、エンドフェイズもターンプレイヤーが優先権を持ち、効果の発動と処理を任意の順番でおこなうことができます。
ですので、基本的には、プレイヤーAのミラジェイド、マグナムート、アルビオンを任意の順番で処理し、その後プレイヤーBのリダンの効果処理をします。
ここで重要になるのが、「優先権」についてです。
これまでの例でも優先権を考えると実は別解が生まれるのですが、触れてきませんでした。
実はスタンバイフェイズやエンドフェイズでは、ターンプレイヤーが効果の発動や処理を行わずに優先権を放棄することが可能です。
そのため、問題のように、あえて順番通りに処理をせず、優先権を放棄し、リダンに帰還してもらってからミラジェイドの効果処理で破壊しよう、という考えも生まれるわけですね。
しかし、同様に非ターンプレイヤーは優先権を再度放棄することが可能です。
そうするといつまでもミラジェイドとリダンの効果処理をせず、優先権がプレイヤーA→プレイヤーB→プレイヤーA→プレイヤーB→プレイヤーA→プレイヤーB→…と
ループすることになってしまうので、原則として優先権を放棄しあった場合、必ず処理をしなければならない効果がある場合はターンプレイヤーから解決することになっています。
なお、この例の状況で、プレイヤーA→プレイヤーB→プレイヤーAと優先権が渡った場合に、プレイヤーAが一旦マグナムートの効果処理をして、それから優先権を放棄することは出来ます。
そこでプレイヤーBが優先権を放棄すると、またプレイヤーAは効果処理or効果発動をしなければならなくなります。
例④ エンドフェイズ 任意の誘発効果のみの場合の優先権
上のプレイヤー(プレイヤーA)のターンでこれからエンドフェイズに入るところです。
このターンにどちらのプレイヤーの墓地にもアルビオンが落ちており、エンドフェイズにアルビオンの効果を発動することが可能な状況です。
では、この例を用いて問を出してみたいと思います。
問題
この状況でプレイヤーAがアルビオンの効果を発動せず、優先権を放棄した場合、この後の説明として正しいものを2つ選んでください。
① プレイヤーBが優先権を放棄した場合、再度プレイヤーAに優先権が渡り、プレイヤーAが優先権を放棄した場合にプレイヤーBのターンとなる。
② プレイヤーBが優先権を放棄した場合、そのままプレイヤーBのターンになる。
③ プレイヤーBがアルビオンの効果を発動した場合、再度プレイヤーAに優先権が渡り、優先権を放棄した場合にプレイヤーBのターンになる。
④ プレイヤーBがアルビオンの効果を発動した場合、その効果の処理後にそのままプレイヤーBのターンになる。
選ぶのは2つですよ
それでは、解答です。
正解は②③です。
② プレイヤーBが優先権を放棄した場合、そのままプレイヤーBのターンになる。
③ プレイヤーBがアルビオンの効果を発動した場合、再度プレイヤーAに優先権が渡り、優先権を放棄した場合にプレイヤーBのターンになる。
これについて解説します。
フェイズの移行はお互いの優先権が放棄されることで発生します。
俗に言う「メインフェイズ終了時~」みたいなやつは、額面通りの意味ではなく、ターンプレイヤーがメインフェイズにおける優先権を放棄したタイミングを指します。
スタンバイフェイズからメインフェイズ、エンドフェイズから次ターンプレイヤーのドローフェイズへの移行も同様に優先権の放棄があってようやく生じます。
ですので、今回の例のように、ミラジェイドやマグナムート等の既に発動し、処理をしなければならない効果や、妖仙獣三兄弟・スピリットモンスター等の強制効果などがない場合は、お互いに優先権が放棄されたので次ターンに移行するわけです。
しかし、ターンプレイヤーが1度優先権を放棄した場合でも、非ターンプレイヤーが効果を発動した場合、再度ターンプレイヤーに優先権が渡ってきます。
逆に、例えばお互いにエンドフェイズの任意誘発効果が複数あった場合(アルビオンとアルバ・レナトゥスが墓地に落ちているとか)、
ターンプレイヤーが効果処理を1つしても優先権はそのままターンプレイヤーにあります。これはスタンバイフェイズの例でも説明したとおりですね。
スタンバイフェイズとエンドフェイズの処理については同様のため、例えば盤面例②の場合、
プレイヤーAが何もせず優先権を放棄した場合、
プレイヤーBは何もせずに優先権を放棄することはできますが、その場合はどちらも必ず処理をしなければならない効果(ラヴァゴーレムの効果)を処理していないため、
プレイヤーAに再度優先権が渡ります。
この状況でメインフェイズに移行するためには、
お互いにプレイヤーAがラヴァゴーレムの効果を発動したうえで、スタンバイフェイズにおける優先権をお互い放棄する必要があります。
こうやって書くと大変な処理に感じますが、普段遊戯王をしている人はあんまり気にせずやってるんですよね。
実際特に気にしなくてもゲームの進行はできますが、こういったルールを知っておくことで、本来起こり得ない不利な状況をなくすことはできます。
まとめ
・スタンバイフェイズ・エンドフェイズは強制効果・任意効果関わらずターンプレイヤーから任意に順番を選択して発動できる
・スタンバイフェイズ・エンドフェイズは、ターンプレイヤーが優先権を放棄した場合に非ターンプレイヤーに優先権を行使して効果処理を行うことができるが、優先権を放棄しあうこともできる。その場合必要な処理がある場合はターンプレイヤーから先におこなう。
・フェイズの移行はお互いの優先権が放棄されることで発生する。
まとめというか、これまで書いたことをかいつまんだ感じになりましたが…まあ許してください。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
拙文ではありますが、何かの助けになれば幸いです。
最後に宣伝ですが、私が主催しているkinta CSの今後の予定です。
・11/26 kinta CS トライアル
いよいよ今週末になりました。
CSにこれまであまり参加されてこなかった方も参加しやすいルールとなっております。
また、初めてkinta CSに参加された方は参加費500円オフ、初めて参加される方を連れて来てくださった方も参加費500円オフとなります。
もちろん経験者も参加可能です。是非是非ご参加ください。
・12/3 第19回kinta CS(2人チーム戦)
蟲惑魔ストラクの発売日に2人チーム戦を開催します。
こちらも参加者募集中です。
ストラクの発売日のため、開始時間をいつもより若干遅くしております。
会場の隣駅が天神駅(カードショップいくつもある場所)ですので、ストラクを購入してそのまま大会に持っていくことも可能です。
出たいけどチームが決まらない…という方は運営側でもマッチングできないか探したり、拡散などしてチーム募集のご協力を致しますので、お気軽にご連絡ください。
・1/16 第20回kinta CS(個人戦)
1月新弾のサイバーストームアクセスの発売日の翌日です。
第20回ということで記念祭とし、通常よりも規模を大きく、またそれに伴い景品も多めに設定しています。記念プレマも作成中。
ある種お祭りということもあり普段あまり参加されない方も参加しやすいものになってますので、是非是非。
12/4から受付開始ですが、12/4~12/15までに受付をしてくださった方には参加賞もお渡しします。
大会情報は私kintaのTwitterか、kinta CSのTwitterアカウントで発信していますので、
フォローしてくださると助かります。
それではここまで。
終わりマン
※編集後記
この記事を書く前にOCG事務局に数度確認をしておりましたが、当初確認した際は
「スタンバイフェイズはエンドフェイズと違い、ターンプレイヤーが必ず先に処理をする(優先権の放棄はない)」というお話があり、自分の認識と違ったため、ブログにまとめようと思ったのが記事作成のきっかけでした。
が、記事執筆の際に改めて確認していくと、スタンバイフェイズとエンドフェイズ処理は同じで、優先権の放棄が可能ということでした。
おそらく例示の違いやコミュニケーションの齟齬によるものかと思いますので、本記事に書いてあるもので正しいと思いますが、問題が発生した際は事務局に改めて確認するのがよいかもしれません。
スタンバイフェイズの強制効果でラヴァゴを例示しましたが、よくよく考えたらこれだと問題が成り立たないので、別例があった方がよいですね…。
何か良い別の例があればコメント等書いてくださると嬉しいです。